ホルモン補充周期の移植後基礎体温について
こんにちは!もりた鍼灸院の河野です。
体外受精中の患者さん、基礎体温をよく気にされますが
移植周期中は特に気になるかと思います。
基礎体温を必ず測るように指示しているクリニックもあれば、
「ストレスになるくらいなら測らなくてよい」というスタンスのクリニックもあります。
では、体外受精中の基礎体温は実際にどの程度気にするべきなのでしょうか。
移植後の基礎体温について書いてみようと思います。
○移植後、基礎体温を測る意味
基礎体温は”黄体ホルモン”が視床下部の体温調節中枢に働きかけることによって上がります。
そして黄体ホルモンは、排卵した後の卵胞の残骸が変化したもの(=黄体)から分泌されるので、
基本的に排卵後(or採卵後)から体温は上がります。
黄体ホルモンは着床~妊娠が維持されるために必須のホルモンです。
例えば、東京都内の自然周期系の体外受精専門のクリニックは、
移植後から判定までの間に体温下降が続く場合はクリニックへの通院を促しています。
これは体温が下がっている理由が黄体ホルモンの不足なのであれば、その薬の処方を追加するためです。
逆に言えば、移植後に基礎体温が下がったとしても採血の結果、黄体ホルモンが足りているのであれば、
薬を追加することに意味はありません。
つまり、基礎体温を介して黄体ホルモンの善し悪しを推察しているのです
体外受精中の基礎体温は、”新鮮胚移植のとき”と”凍結胚移植を自然周期で行うとき”に、
あくまで黄体期が安定しているかの目安となるくらいに考えておいて良さそうです。
○ホルモン補充周期の移植後、基礎体温の計測は必須ではない
凍結胚移植において、自然周期であれば自己黄体からの黄体ホルモンが不足する可能性があるため、
その目安として基礎体温を測ることは一定の意味があるかもしれません。
ですが、自己黄体を持たずに薬に依存するホルモン補充周期であれば、
薬の用法用量をしっかり守っていれば黄体ホルモンが不足することは基本的にありません。
プロゲステロン製剤によって基礎体温は高温期に入りますが、
薬の種類によっては体温上昇作用がないものもあります。
いずれにしても、薬でホルモンコントロールをしているので
基礎体温はあまり気にされなくても大丈夫かと存じます。
○まとめ
”体外受精において基礎体温が必要”と考えるのであれば、
それは主に”移植後に黄体ホルモンが不足した際の目安”として使えるだけで、
採卵のみの周期やホルモン補充周期による凍結胚移植周期にはあまり意味を為さないと考えられます。
外気温の影響も容易に受けますし、基礎体温に必要以上に気をとられるのはあまりお勧めしません。
実際に基礎体温が上がらなくても黄体ホルモンはしっかり分泌されている、というケースもあります。
あくまでも個人の見解ですので
基礎体温測定の有無や重要性については
通院中のクリニックの医師の指示に従いましょう。
○参考文献
・データから考える 不妊症・不育症治療-希望に応える専門外来の診療指針 (メジカルビュー社)
・不妊治療を考えたら読む本 (講談社)
・不妊治療は作らない (主婦の友社)
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