不妊治療

流産後のお休み周期中の過ごし方
流産は本当に、 私には察するに余りあるほど お辛い経験です。 当院にも、 過去に流産の経験がある方は たくさんいらっしゃいますし、 当院通院中に妊娠されても、 その後流産という結果になってしまう方が 少なからずいらっしゃることも 正直なところです。 経験された方の中には 主治医の先生からも説明があったと思いますが、 初期の流産では特に、 多くの原因は染色体異常によるものです。 これについては 精子と卵子が出会って 受精卵となった時点で 決まっていた運命だと考えられ、 誰にでも起こりえることです。 妊娠中の過ごし方に流産の原因を見出し、 ご自身を責める方がいらっしゃいますが、 染色体異常だった場合は どんな過ごし方をしていたとしても 起こってしまうものです。 ですが、 染色体異常以外でも 流産のリスクが高まる要因がいくつか わかっています。 ・血流の悪さ、血液のかたまりやすさ ・内分泌系 ・子宮形態異常 ・夫婦染色体異常 などですね。 そしてこれらについては、…

クロミッドやセロフェンの作用について
クロミッドやセロフェンは、 不妊治療において 最も用いられることの多い 排卵誘発剤のひとつです。 本来はなかなか自力で排卵することが難しい、 排卵障害がある方に用いられるお薬です。 セキソビットなどの内服薬に比べて、 排卵させる力が強いので第一選択薬として よく使用されています。 脳下垂体からの FSH(卵胞刺激ホルモン)分泌を 促進させるお薬のため、 排卵障害をお持ちの方が スムーズに排卵できるようになるところも 過去の患者様を通して私自身 目の当たりにしてきました。 ただし、クロミッドやセロフェンは その抗エストロゲン作用が弊害となり、 継続的な服用で 頸管粘液が減少したり、 子宮内膜が薄くなるという欠点があります。 特にタイミング法でこの薬を使って 妊娠にチャレンジしている場合は注意が必要です。 排卵を促すことができても、 精子が子宮頸管を通過しにくくなってしまっては 本末転倒だからです。 その為、 精子が自力で頸管を泳がなくても子宮に入れる 人工授精と相性が良いと言われています。 子宮内膜が薄いと判断された場合は 別の排卵誘発剤が選択されます。 また、クロミッドやセロフェンは、…

あえて弱い刺激を選ぶこともある
卵巣の刺激法には様々なものがありますが、 施設のポリシーや、患者様の状況によっても 大きく変わってきます。 体外受精で採卵をするにあたって、 卵巣機能がある程度しっかりしていて、 月経期に卵胞が複数存在していれば、 注射などの強い刺激をすることで、 たくさんの卵胞が 育ってくれる可能性があります。 逆に、 卵巣機能が低下を招いていて、 月経期に卵胞の数自体が少なければ、 仮に注射を毎日打ったとしても、 育ってくれる卵胞の数は 大して増えてくれません。 採卵あたりの妊娠率は、 簡易刺激に比べて たくさん卵子が採れる高刺激の方が 高いとされている為、 「自然周期採卵だと 採れる卵の数が少ないので、 注射で刺激してくれるクリニックに 行きたいんです」 とおっしゃる方もいますが、 例えば、 ホルモン値も良くなく、 AMHも低く、 月経期内診時にも見える胞状卵胞の数が 少ないのであれば、 自然周期でも刺激周期でも、 採れる卵の数に そう大差がでないかもしれません。 その為、 AMHを含めたホルモン値や、 月経期の内診時に見える胞状卵胞の数などを…

自宅で簡単に出来るゴルフボール妊活
体外受精ないしは顕微受精において、 途中で胚の成長がストップしてしまった場合、 ”卵子の質が良くないのでしょう” と結論づけられてしまうケースが少なくありません。 また、たとえ胚盤胞まで育って移植できたとしても、 陰性であれば同様の答えが ドクターから出てくることもあります。 特に女性側の年齢が高くなってくると それだけでこう推測されてしまうケースは非常に多いのです。 鍼灸を受けることで 卵子の質が上がる効果があるのか、 着床を促す効果があるのか、 それともどちらにも効果があるのか。 鍼灸を始めてから、 採卵数、受精卵数、胚盤胞到達率 いずれにしても数が大きく変わる症例を たびたび経験します。 良好胚盤胞を何度か移植してダメだった方が 鍼灸を始めて1回目の移植で上手くいくケースも 少なくありません。 同じクリニックで同じ刺激法で 新しく始めた事は鍼灸のみ。 これらを考えてもやはり、 卵巣や子宮への血流改善は 妊活において重要な因子と言えます。 そこで当院では鍼灸治療と併用して 自宅でもゴルフボールを使って なるべく血流確保をしていただく事を お願いしております。 誰でも簡単に始められるので 皆様是非お試しください! …

不妊鍼灸のタイミングごとの効果的な受け方
○不妊鍼灸 通院頻度について ・育卵、子宮内膜発育を目的に排卵(または採卵)1ヵ月前から週1回 ・着床環境を整える事を目的に排卵後(または移植前後)4日おきに 妊娠判定日まで通っていただけるのが理想的です。 但し、下記日程はあくまで一例ですので、 体質などを考慮して患者様とご相談の上、 最適なスケジュールを決めていきます。 例えば、血液循環が良い場合は 下記日数より頻度が減ることがございます。 体外受精 『採卵周期』 ☆1ヵ月をワンサイクルとして週1回 採卵前に鍼灸治療をコンスタントに行う理由は、 十分な血流を確保する事で質の良い卵子を育てる為です。 また、妊娠に関わるホルモンや薬剤は血流によって運ばれるので、 循環を良くする事は妊活において重要と考えられます。 下記、血液循環が良くない場合は週2回 ・エコーで確認した血管が通常よりも細い ・血圧が低い ・平熱が低い ・運動習慣がない ・足の冷えがある これらを総合的に判断して、 個々に合わせた最適な治療スケジュールを決めていきます。 『移植周期』 ☆移植前4日おきに4回 移植後4日おきに6回 移植前後に鍼灸治療をコンスタントにやる意味は、 自律神経を介して血流や免疫に作用する事で、 着床しやすい子宮環境を整える為です。 ※鍼治療3日後に免疫反応が出てから、 3~4日で戻りがあるので 妊娠判定日まで治療を続けるのが理想的です。 『タイミング法』 ☆排卵1ヵ月前から週1回…