多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の鍼灸治療について
こんにちは!もりた鍼灸院の河野です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、
卵胞発育に時間がかかり、
なかなか排卵しない疾患です。
当院でも排卵障害を主訴に
ご来院頂くことが少なくありません。
今回はPCOSの原因や治療法、
鍼の有効性について書いていこうと思います。
○LH高値を特徴とするPCOS
排卵が上手くいかない原因は、
簡単に説明すると、
排卵に関わるホルモンバランスの崩れ
にあると考えられています。
具体的には、
卵巣内の過剰なアンドロゲン(男性ホルモン)が
排卵障害を引き起こしています。
高アンドロゲンの原因は
脳の下垂体から分泌されるLHと
血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用です。
血液検査をすると
LHがFSHよりも高くなるという特徴があります。
(※LH:黄体化ホルモン FSH:卵胞刺激ホルモン)
○PCOSの治療法
PCOSの治療法は、
排卵誘発剤を使って排卵のチャンスを増やすことから始まり、
内服薬だけで排卵が難しい場合は
注射→腹腔鏡手術→体外受精
と、順にステップアップしていきます。
内服薬や注射を
ある程度試してうまくいかない場合、
腹腔鏡下卵巣多孔術(LOD)の適応となります。
LODとは、
レーザーで卵巣に小さな穴を複数開けて
自然排卵を促す治療法です。
LODにより
自然排卵が回復する機序は明らかではなく、
仮説の域を出ませんが、
卵巣への物理的なダメージにより
卵巣間質血流の改善や
LH値が正常化し
ホルモン環境が改善することで
排卵機能が正常化すると考えられています。
↑ 治療方針はフローチャートをご参考ください。
○PCOSに鍼は有効か
では、こういった排卵障害に不妊鍼灸は
効果があるのかどうか。
〝大いに有効になりえる〟
と言えます。
特に私たちの流派である
〝トリガーポイント鍼療法〟は
鍼の刺激量や鍼を打つ場所によっては
LHを下げる効果があります。
(もちろん、患者様それぞれの
悩みに合わせた施術を提供しています。)
それまであった生理不順が徐々に整っていくケースや
排卵までの期間が短くスムーズになるケース、
ホルモン値が正常化するケースなど
日々の臨床で目の当たりにします。
また、これらの変化と共に、
鍼治療によって血流が良くなることは、
妊活において大いにプラスになり得ます。
○まとめ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は
LH高値を特徴とし、
ホルモンバランスの崩れにより、
卵巣内に小さな卵胞が多数できて
排卵障害を併発しやすい病態です。
様々な流派の鍼灸がある中で、
トリガーポイント鍼療法は、
鍼の刺激量や鍼を打つ場所によっては
LHを下げる効果があります。
その結果、
排卵が正常化し、
さらに鍼治療により血流が良くなる事で
妊娠しやすいお身体へと導きます。
体外受精にステップアップするかどうか
悩んでいる方がいらっしゃれば、
まずは鍼灸を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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○参考書籍
・病気が見えるvol.9 婦人科・乳腺科
(メディックメディア)
・よくわかる臨床不妊症学(中外医学社)
○参考文献
・不妊患者における多嚢胞生卵巣症候群に対する
腹腔鏡下卵巣多孔術後の治療成績
日産婦内視鏡学科 第25巻第2号 青木卓哉他
・超音波凝固切開装置を応用した多嚢胞性卵巣症候群における腹腔鏡下卵巣多孔術の臨床的検討
日産婦内視鏡学会 第21巻第2号 佐々木将他
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